
文久2(1862)年から明治2(1869)年まで伊藤慎蔵がひらいていた蘭学塾の跡。
幕末に大坂で敵塾を開いた緒方洪庵は名塩の医者億川百記の娘八重と結婚した。
適塾の門下生伊藤慎蔵も八重の世話で名塩出身の娘と結婚したが、病弱だった妻の静養のため
名塩に移住し億川百記らの協力で蘭学塾を開いた。
現在建物は残っていないが、その跡地に緒方洪庵夫人の八重の胸像の蘭学の記念碑がつくられた。







体験を通して名塩の紙漉き文化を学ぶため、平成元年に開館。
名塩和紙とは、材料の雁皮に地元産の泥を混ぜて溜め漉きでつくる和紙(雁皮紙)で、
虫食いや日焼けに強いため、薄手のものは箔打紙や屏風の下貼り用に、厚手のものは
藩札(各藩内で通用するお金)用として全国から需要があった。
江戸時代には名塩千軒と呼ばれるほど栄えていたが、現在では名塩雁皮紙の
技術保持者(人間国宝)に認定された谷野武信氏ともう一軒の計二軒を残すのみとなっている。
名塩の紙漉きの起源はいくつかの説があるが、一つは、浄土真宗本願寺派の蓮如上人が
室町時代の文明7(1475)年に名塩に来た時に同行していた越前の紙漉き職人がこののち
名塩にとどまってはじめたとされるもの。
また、水上勉の『名塩川』という小説に書かれたように、東山弥右衛門が伝えたという伝説もある。
それは名塩から越前へ紙漉技術を学びに行ったが紙漉技術は門外不出のためよそ者には教えて
もらえなかった。
そのため紙漉の家の養子となり村の娘と結婚してようやく技術を身につけたが、貧しい山村の
ふるさと名塩にこの技術を持ち帰るため、妻子を捨てて名塩に戻って紙漉を広めたというもので、
いずれも越前から技術が伝わった事をうかがわせる。
東山弥右衛門の徳を偲んで紙漉仲間によって幕末に建てられた墓は今も名塩の墓地に残っている。






江戸時代の初めに豊臣勢の落ち武者の武田尾直蔵が見つけたといわれる温泉で、
武庫川をはさんで西宮と宝塚にまたがり、現在4軒の温泉旅館がある。
近くには、水上勉の小説『櫻守』のモデルとなった、桜の保護育成に尽力した笹部新太郎の
演習林を整備した桜の園「亦楽山荘(えきらくさんそう)」があり(宝塚市)、桜や紅葉の時期には賑わう。
旧福知山線の武田尾駅と生瀬駅を結ぶ廃線跡のハイキングも人気があるが、その道は
JRの私有地であってハイキングコースではなく、亦楽山荘まではどうしてもトンネルを二つ
通らなければならないので、宝塚市が遊歩道として多少整備しているが、その先は原則として
立入禁止の場所である。






美しい自然と風土を持つ山口町の文化を後世に伝えるために、財団法人山口町徳風会
(旧山口村の森林組合が前身となっている団体)の30周年記念事業として建てられた。
中世以前から現在までの山口町に関する数多くの資料が見やすく保存展示されており、
山口町の代表的な産業であった寒天・竹かご・和紙の技法などが紹介されている。
また、山口地区7基のだんじりについても紹介されており、一年交替で7基のうちの
どれかが展示されている。







西宮北部地域の人口増加による水の需要増加に対応するため、昭和52(1977)年に
船坂川の流れをせき止めて丸山の麓に作られたダムで、近くにあった寺の名前から金仙寺湖とも言う。
湖畔に植えられた桜並木は花の時期には大勢の人で賑わう。


甲東梅林は、大阪の事業家の芝川又右衛門氏が明治29(1896)年にこの地で果樹園経営を
始める時にブドウ、柿、桃などの果樹と共に梅、桜、楓、楠などの植栽を行ったのが始まりと言われる。
昭和22(1947)年の甲陵中学校の建設にともない、当時運動場敷地にあった梅の木を現在の場所に
移植し、昭和37(1962)年に甲東公民館が開館するまでは同校の生徒によって手入れがされていた。
甲東公民館の改築に伴い、平成9(1997)年に梅林が公園施設として整備された。
樹齢100年を超えるものが多く、種類も早咲から遅咲きまで集められ39品種、約200本に及び、
さまざまな色や形の梅の花が1月から3月まで長い期間にわたって楽しめる。






北海道函館のトラピスト修道院の子院として創立。
祈りと労働を中心とした自給自足に近い生活を送っており、院内の見学などは出来ない。
手作りのクッキーやジャムなどが有名。

昭和12(1937)年に近藤氏が建てた和洋折衷様式の住宅。
後年所有していた山本氏の遺言に基づき、文化振興を目的に平成10(1998)年に
財団法人山本清記念財団が設立され、この住宅と彼が収集していた茶道具などの
美術工芸品の展示がなされている(見学は要事前予約)。
平成19(2007)年には、国土の歴史的景観に寄与しているものとして「旧山本家住宅」が
国の登録有形文化財の指定を受けたが、茶室の貸し出しや文化教室の開催など、
文化財を活用しながらの保存がなされている。




