2010/07/13
西宮には、江戸幕府による大阪城再建(1620~29)による採石場があり、
現在では神戸市東灘区から芦屋市と西宮市西部までの範囲を指して
「徳川大阪城東六甲採石場」とよばれています。
甲山森林公園の展望台辺りにその跡がよく残っているという事で案内してもらいました。

その前に、街中で比較的簡単に見られる物も紹介すると、
常磐町の一本松横に立つ分銅マーク
柏堂の北山緑化植物園入り口の分銅マーク 越木岩神社境内の四角組み合わせのマーク

などが分かりやすいでしょうか。
このように石にマークが残っているものは、どこの藩が手配したものかが分かるようにするために
刻まれたものらしく、刻印石といわれています。
そして甲山森林公園には、越木岩神社境内の四角組み合わせと同じ、佐賀藩鍋島家の刻印だと
考えられる刻印が残されている石を見ることが出来ます。
甲山森林公園の中でも展望台の裏の小山あたりにたくさん残っています。
下左の写真で数人の人が覗き込んでいるところには矢穴(やあな)が途中まで掘られたままの
残された石がありました。
矢穴とは大きな岩を割るためにのみで掘った小さな穴のことで、その穴の列にくさびを打ち込んでいくと
岩がかぱっときれいに割れるそうです。
下右写真に見える長方形のふたつの穴がそれで、これは穴を開けかけて途中で終わってるものです。
あ、ここからの眺めは展望台と同じく向こうの方に阪神競馬場が見えました。

また他の場所では、矢穴を開けてくさびを打ち込んで割った残りの不要なほうが残されています。
下右写真の指差してる石と手前の石とに残されている矢穴のサイズは加工年代によって違うそうで、
手前の15センチほどの大きいものは江戸初期頃、指差してる5センチ程のものは江戸中期以降の
ものだそうです。

展望台へ行く整備された広い道からもいくつか見えるみたいですが、それよりも展望台の裏の小山に
登る軽登山道のほうにたくさん残っているようです。
人が一人通れる程度の山道もありますので、行く場合には履物に注意してお出かけ下さいね。
石のある場所はこちら → 地図
<香苗>
2009/05/27
神呪寺の南にある四国八十八箇所を模したミニ巡礼地をめぐってきました。
まずは、基礎知識をちょっとだけ詰め込んでから・・・。
武庫山神呪寺は平安時代初めに弘法大師空海が開山したといわれていますが
ミニ八十八箇所が作られたのは江戸時代の寛政10(1798)年になってからです。
四国巡礼までは遠くていけない、だから少しでも近くに代わりの巡礼地があればという
ミニ巡礼地の築造は江戸中期から昭和の初期にかけておこなわれたといい、甲山の
ミニ巡礼地は比較的早い時期に作られたものだそうです。
完成当初は京都方面から陸路で、大坂方面からは海路で、とてもたくさんの参詣者で
賑わったそうですが、平成の今はひっそりと、ちょっと寂しいぐらいです。
でも、たとえ信心がなくても、全行程2.5kmほどのちょっとした散策コースにおすすめです。
まずは阪神バス甲山森林公園バス停で降りてからスタートしました。
バス停そばの駐車場入り口に「寛政十年」の銘の入った石碑があります。

ここから西(神呪寺方面)へ向かうと道路より低い位置にまず一番札所。
ここの石柱とか台座とか井戸の中とか、人名がいっぱい結構読める字で彫られていて
読めたらうれしくっておもしろいです。

この次の二番札所からは道の反対側です。
歩道のないところを通らないといけないのでご注意を。
車道に沿って進むと石材店と大師下バス停の間に十二番札所があって、その横の階段を下ると
十三番札所、十三番の先の道は右へまがります。
通っていい道かちょっと不安になりますが(笑)、左手に見える茂みに向かってこの路地から
あぜ道を通って進んでいきます。

この後は時々車道を横切りますが、山の中を道なりに歩きます。
坂道だったり階段だったりしますが、ちょっと歩きにくいので気をつけてください。

こんなフェンスの隙間から出入する場所も
45番から64番のあたりは花崗岩の崩れた砂っぽい足元なので滑ります!
でも、63番札所辺りからは神呪寺がよく見えて、気持ちいいです。

この日はウグイスも鳴いていましたし、ところどころに季節の花々が咲いていたり、小さなまつぼっくりが
いっぱい落ちていたり、まさしく自然を満喫! って感じです。

87番札所は道の行き止まりにあるので、車道に戻って88番札所のある境内へ向かって
最後のひと踏ん張りですが、この階段がまた大変・・・。

無事、八十八箇所回ることが出来ました。
分かりにくい方は、地図は神呪寺の社務所でもいただけますが、『宮っ子』2009年5・6月号に
掲載されていた地図もわかりやすいと思います。
大まかなルートはこちらでも確認できます。 → 地図
階段が多いのはもちろんですが、足元の状態は決していいとは言えないので、靴には
気をつけて散策してみてください。
これから暑くなる夏に向かっても、木陰の中を歩く事が多いので比較的涼しく散歩できそうです。
が、虫除けの準備をして出かけることをお勧めします。
<香苗>
2009/05/04
西宮市内南部ならどこからでも見える甲山。
六甲山系の東の果てで小さな噴火があり、六甲山の花崗岩を突き破って溶岩がポコンと飛び出して固まったため、あんな形になったということは知っていたが、実はこれまで眺めただけで登ったことがない。
今朝は早く目が覚めてしまったが昼までやることがないので、午前中限定で甲山へ向かう。
登山道がどこにあるのか分からないため、とりあえず「甲山森林公園」へ。
見上げれば甲山。これから制覇されるとも知らずにのんびり構えてやがる。待ってろよ、今すぐ登ってやるから。

見つけた登山道の入り口は「甲山自然の家」の横。看板によれば、山頂まで700メートルとのこと。
なんだ大したことないなと思って、登山道に踏み込むと。。。
意外と大変じゃないか~。最後の方はかなり汗もかいてきた。


山頂は広場になっていて、三角点の真新しい看板が立っていた。さらに視線を移すと寛いでいる家族連れの様子も見られた。
なにぃ!さっきの厳しい登山道を小さな子どもたちが登ってきたのか、ぜいぜい言って汗をかいていた俺は何だったのか、と一人立ちすくんでいると、俺が登ってきたのとは違う方向から山頂広場に入ってくる家族連れを発見。
そう、登山道はほかにもあったのだ。
帰りはその神呪寺方面の登山道を下ることにした。

こちらの神呪寺ルートはきっちり整備されていて、眺望の開けたところもある。家族連れにはこちらがお勧めだろう。
少年少女諸君はもっと大人になってから、自然の家ルートに挑戦したまえ。

無事下山完了。ついでに北山貯水池にも寄る。臨時駐車場も設置されていて駐車場所に困らないのはナイス。
つつじがきれいに咲いている。誰かが俺を見ているような気がして振り返ると、甲山がゆったりと佇んでいた。

(風)